ちょっとひと休み

きらきら煌くあいばくんがすき

「プラチナデータ」

冒頭の雨のシーン。

雨の音が強くて、音を浴びるような、まるでその場にいるかのような感覚で、一気に映画の世界観に引き込まれた気がする。家でDVDを観るのでは体験できない、劇場ならではの大画面と音響が生み出す世界。

もちろん映画だし、フィクションではあるけれど、決して完全なフィクションではないというか、リアルにこの映画のようなことが近未来に起こる可能性もある。色々と考えさせられて、面白かった。だって、3回も観に行ってしまったもの。同じ映画を劇場へ3回も観に行くことなんて、人生初めての経験。

正直、確かにニノが言っていたように、「よし!明日からも頑張ろう!」と思える映画ではなかった。ただ、脚本家の方が、ドラマ「ラストホープ」と同じ方だということもあり、DNAという共通項、科学技術の目覚ましい進歩、進歩によって生じる倫理面での問題、進歩しすぎることへの警鐘、そしてその進歩の事実を、科学者のみならず、多くの人がもっと正しく知っておくべきだというメッセージも含まれていたように感じている。

この映画を観に行く前に、原作を読んでから行った。原作とは異なる展開や結末で、個人的に映画の結末の方が好きだったこともあって、自分の備忘録も兼ねて、ストーリー展開も含めつつ感想を書いていきたいと思う。半端無く長いと思われる。まぁ、もうここまでで既に長いけど…。

何だか書く口調が完全に神楽に影響されてる気がする…普段「にのあいきゃっきゃうふふ♡」ってテンションなのに、我ながら違いすぎてる(笑)きっとDVDが発売されるから、そこまで細かく書き残しておかなくてもいいんだけども。でも、3回も観たからストーリーもキーになる台詞もかなり鮮明に頭に残っているし、今記憶に残っている範囲で、自分なりの解釈や感じた想いを書き残しておきたい。もしかしたら意図されたものとは違う解釈や感想かもしれないけれど、ニノが「解釈は自由だ」って言ってたから。

 

 「この愛さえも、DNAで決まるのか」

がテーマのこの映画。

舞台は近未来、国民のDNAデータ=プラチナデータを集め、最先端のDNA捜査が可能になった、2016年末〜2017年の日本。DNAデータを元にして、その人物の顔や身体的特徴を3D画像に出来るDNAモンタージュの作成も可能となり、検挙率も100%となった世界。

DNA捜査システムは、天才科学者である神楽龍平(ニノ)と天才数学者、蓼科早樹によって開発されたもの。神楽は警察庁の科学捜査機関「特殊解析研究所(Special Analysis Research Institute, SARI)」で捜査主任を務めている。捜査システムの解説の神楽の早口な口調と少し低めに抑えた声が、天才の雰囲気を醸し出していたし、少し嫌みな感じでよかった。しかし捜査方法としては献血や病院の血液等から違法に入手されたDNAサンプルを扱っており、その問題点に気付いた浅間がSARIを初めて尋ね、神楽へ質問した時が、2016年末。DNA捜査システムの画面があまりにリアルで近未来的ですごかった…!ああいうメカ系のものって見るだけで高まる。

それから3ヶ月後、2017年3月5日(多分)、蓼科兄妹は何者かによって殺される。兄妹が殺された後、浅間との会話で、

浅間「DNAですべてが決まる訳じゃない」

神楽「決まるんだよ!!…DNAはその人間のすべてだ」

と強く言い放った神楽。ここがまず最初のキーポイントだと思う。当初、神楽は浅間に対してかなり強い態度だったし、信用していなかったし、DNAが全てだと本当に思っていた。

その後、犯人のものと思われる皮膚片と皮脂を解析した結果、システムによって犯人と断定されたのは神楽自身。それまで同様の手口で連続殺人を起こしていた、データ未登録のNot Found 13=NF13のデータと照合するが一致しない。ここで何故解析結果が神楽と出たのかが本当に謎。皮膚片とあったが、神楽は見たところどこも怪我をしていなかったし、実際の犯人である水上も怪我はしていないように見えた。(水上がデータをすり替えていたのか?)ここで、犯人が自分のもう一人の人格=リュウではないかと疑う神楽。

神楽の部下の白鳥が神楽の逃亡を助ける。携帯と変装用の衣服と資金も用意。代わりに蓼科兄妹が必死に作成していたという、「Mogul」を探すことに。防犯カメラで特定の人物を追う方法は開発されて既に極秘裏に使われているんじゃないかと思ってしまうくらいリアリティがあった…。

逃亡中の神楽、キーーンという音と目眩とともに思い出されるリュウの記憶。早樹が素数を書き続けている記憶。

鏡?を通じてリュウと会話する神楽。

「君は悲しい人だ」

「想いは必ず手から伝わる」

この2つのリュウの言葉もキーだった気がする。実際、リュウのアトリエにあった絵はほとんどが手の絵。その手は、陶芸家だった父のもの。コンピュータが作った作品を父のものだと勘違いし、息子である神楽が「今までで一番好き」と言ったことがおそらく原因でじさつしてしまった神楽の父。それを悔やんで、リュウは「想いは手から伝わる」と言い、父の手を描き続けていたのかな…。

「Mogulは私たちの懺悔の証」と書き残されていた蓼科兄妹のメールを山梨の別荘で発見した神楽。Mogulの復元を試みようとしてキーボードをブラインドタッチする神楽の手があまりに滑らかで速くて本当にあのプログラムを打っているように見えてびっくりしたよ…。

その後、神楽を追ってきた(白鳥から受け取った携帯にGPSがついてたのかな?)白鳥から譲り受けたバイクで逃げる神楽。パトカーのカーチェイスの場面は、一部は本当にニノが乗ってたのかな?ドキドキした。。トンネルに突っ込んでバイクが爆発して、神楽が死んだと思った浅間が膝から崩れ落ちるシーンも、神楽に対しての想いが見えて、印象的。

逃亡中、スタジアムで神楽と浅間刑事が会う場面。浅間刑事が差し出した、リュウと早樹が出会った頃、15歳の頃の写真を受け取ったのは、左手(リュウの利き手)

この場面、一瞬で神楽の表情も雰囲気もガラッと変わって完全にリュウになって…鳥肌が立った。回想シーン。早樹の頬にアザのある写真を見て、涙をぽろぽろ流しながら

「…どっちだったと思う?アザなんて、なかったよ」

と話すリュウ。この”アザなんてなかった”もキー。アザがある写真を見ながら、「アザなんてなかった」と言ったのは、アザを早樹は気にしていたけれど、アザがあることなんてリュウにとっては関係のないことだった、っていうことなのかな…何かそれ以上のメッセージが込められているようにも感じたんだけど、うーん…。

スタジアムで神楽と浅間が手を組むことになり、神楽が徐々に浅間刑事を信頼していく様子が見えるのがすごかった。出会った当初、神楽が浅間に向かって「DNAですべてが決まるんだよ!!」と言い放ったときの声色は低く壁を感じたけれど、徐々に神楽の声色が高めになり、表情も変化し、映画ってどれくらい順番通りに撮っているのかわからないけど、その変化が追えるって、ニノ本当にすごいって思ったよ。

神楽が海から電話、浅間がリュウのアトリエでMogulを探す場面。リュウのアトリエにMogulがあるに違いないというのは、浅間刑事の考え。

「アザなんてなかった…?いや、そんなはずはない。確かに(絵の早樹に)アザはあった」

と言った神楽。最初はリュウはアザを描いていて、それをあとで消した…それがメッセージで、Mogulはリュウの描いた早樹の絵の裏で見つかった。いつ隠したのだろうか…神楽が蓼科兄に呼ばれ、部屋を訪ねて、「5時間後(神楽がリュウになり絵を描く時間)に」と言った後、話をする前に蓼科兄妹は殺されている。つまり、神楽が最初に蓼科兄妹の部屋に来る前に、あらかじめ早樹の絵の裏に、早樹自身がMogulを隠していたのかな…。もしかしたら、リュウはMogulがそこにあることを知っていたのかもしれない。それでアザを消して描いて、スタジアムで写真を見ながら「アザなんてなかったよ」と浅間に告げたのかなぁ…。

浅間がMogulをDNA解析システムへ入れることに成功し、真のプラチナデータとは、特権階級のDNAデータであり、意図的にNot Foundとされるように組まれたプログラムだったということ。Mogulはそれを見つけ出すプログラムだったということがわかった。その結果、NF13=水上教授が犯人だと特定されたことを受け、電話口で

「…やっぱりそうだった」

と言ったのは神楽?それともリュウ?その直後、「私自身で決着をつける」と言い浅間との電話を切っていて、一人称が「私」だったから神楽かな?(リュウの一人称は「僕」)

決着を付けに水上教授の研究所へ向かう神楽。でも研究所へ入る時、オートロックの解除をしたのは左手(リュウの利き手)。ただし、水上と対面し、話し始めた時の声色は神楽。ここの場面は最後、浅間がリュウのアトリエでリュウへ質問して、リュウの回想シーンとして描かれていて、キーーンという音とともに、頭を抱えて思い出していたから、神楽の記憶だったのかな…?もしかしたら、オートロック解除の場面では、ニノが言ってた、神楽8割、リュウ2割、みたいなバランスが、神楽6:リュウ4くらいになっていたのかも。

「夢や希望は誰もが見ていいものなんじゃないのかっ…!」と言ったのも、神楽…?

その台詞を言いながら、キーーンという音と共に、頭を抱えて、海岸でサキと笑い合う場面(確かにこの記憶の早樹にはアザが無かった)が思い出された後は、完全にリュウだった。

「…なぜサキを殺した!!サキはあなたを信じていた。僕も、そして神楽も」と言っていたから。

水上に銃を向けられて口にしたのは、「あなたは悲しいひとだ」。リュウが神楽にも向けた言葉。リュウが水上から銃を奪い、左手で銃を持ち、「壊れそうな僕たちを助けてくれた、あなたは何も間違っちゃいない」「でも、僕たちはあなたを止めなきゃならない」と水上教授を撃ち、最後に伝えた言葉は「今まで…ありがとう…」。リュウはどれだけの想いでどれだけの覚悟で水上に銃を向けたのだろう…。

水上を撃ったその銃を、震える手で浅間に手渡したのは、左手=リュウのままだった?それとも、神楽?浅間は大きな手で震えを止めるように手をがっしりと掴み、数秒握ったままで、リュウが神楽に向けて言っていた「想いは必ず手から伝わる」という言葉が思い出された。そして、最後浅間がアトリエでリュウと会う時、「直接会うのは2回目だな」と言ったのが気になっている。1回目はスタジアム。アトリエで会ったのは、本当に2回目だったのだろうか?水上を撃ったリュウは、左手で浅間に銃を渡したけれど、震えるその手を握ったことで、これはリュウではなく神楽だと感じたということなのかな?それとも、あの瞬間はリュウと神楽が混ざった状態だと感じていて、完全にリュウの状態で会うのは2回目ということなのかな?手渡した瞬間はリュウだったけれど、浅間が気付いていなかったというのも考えられるけれど。

取調室での神楽。実は神楽が後からできた人格で、リュウが元々の人格だったと知り、「私は操り人形だったという訳か…」という台詞。だから、主題歌Breathlessのダンスの最初の振りがマリオネットのような振りになってるのかなと。

浅間と出会った当初、「DNAですべてが決まる」「DNAはその人間のすべてだ」と言い切った神楽が、ラストシーンの手紙でリュウに当てたこの言葉が何よりもとても印象的だった。

「人間の運命や可能性は 決して遺伝子や科学の範疇ではない

 未来を切り開くのは…その人間の 自分自身の意志なんだ

 大切なことに気付けてよかった 神楽」

 (何とか覚えようと頑張って覚えた範囲なので、細かいところが少し違うかもしれないけれど…。) 

この手紙、気のせいかもしれないけれど、ナレーションで神楽が話していた内容以外のことも書かれていたような気がして、2回目、3回目観に行った時に何とか読もうとしてみたけれど画面に映るのが一瞬すぎてわからなかった。これはDVDを待って、じっくりと確かめたい点。

パトカーに乗る前、浅間との最後の握手は右手(神楽の利き手)。白いスーツの浅間、黒いスーツの神楽が色彩的にとても対照的に映ったし、出会った当初、歩く時は決して隣に並ばず、必ず前後にいた2人が、隣り合って歩く姿はとても印象深かった。パトカーに乗った後、メガネを外した神楽。「こうして手紙を書くのは最初で最後」と神楽が言っていたように、もしかしたら、神楽とリュウの人格が、融合し始めたのかな…。

エンドロールで流れるBreathlessが、あまりにも映画の内容とリンクしていて何度聴いても胸にぐっとくる。神楽とリュウのことだったんですね。“自分に隠されたもうひとつの姿”だったり、“この手が真実を話してる”の、手の意味だったり。すごい。

 

はーー長々と書いてしまった。頭の中で思い返しながら、色々と考えて感想を書くのは、ラストホープ以来で楽しかった。ラストホープの時も毎回きちんとブログにも書き残しておけばよかった!

長々書きましたけど、最後の神楽の手紙に、この映画のメッセージがぎゅっと込められていた気がします。運命も未来も、DNAで決まるものではなく、自分次第だということ。

プラチナデータでは、神楽と早樹の遺伝子さえあれば…と言っていた水上。そして、同じ脚本家さんによって書かれたラストホープでは、遺伝子操作によって息子に適合するドナーベイビー、卓巳を作りだしてしまった斉藤夫妻。冒頭にも書いたけれど、科学の進歩は素晴らしいことだけれど、その目覚ましい進歩によって生じる倫理面での問題、進歩しすぎることへの警鐘、そしてその進歩の事実を、科学者のみならず、多くの人がもっと正しく知っておくべきだというメッセージもあったのかなと感じました。

映画とドラマ、公開順はドラマが先で映画が後でしたけど、映画は昨年撮られているので、プラチナデータより後にラストホープの脚本を書いたはず。だからラストホープでは、最先端医療に携わる医師たちが、科学技術の進歩と倫理面での狭間で悩み葛藤する姿が、丁寧に描かれていたのかなと。卓巳先生は「正しい答えなんかない それでも答えを探しながら 目の前の患者さんと向き合っていくしかないんですよね」と言っていて。プラデの神楽の手紙の中で「僕たちは逃げていた」という言葉があったと思うんですけど、逃げずに、向き合っていくことが大切だというメッセージも込められていたのかなぁなんて…。もう一度、ラストホープもじっくり見返したくなりました。

 

これは本編と関係ない部分ですが…リュウのアトリエ、蓼科兄妹の部屋、蓼科兄妹の別荘、水上の部屋、どの部屋にも生花や観葉植物が多くあったのは意図的だったのかなぁ。DNAデータ、パソコンと向き合う日々だからこそ、意図的に生き物を近くに置いておいたのかな。DNAがすべてだと言い切っていた水上にとっては、インテリアだったのかもしれないけれど…。

それから、メガネって人の印象をガラっと変えますね。ニノってメガネ無しだったり、黒縁のセルタイプのメガネだと完全に草食系っぽいというか、見た目の印象として、柔らかい物腰の、本好き文系男子って印象を受けるんですけど(個人的に)、今回のシャキーンとした金属のメガネをかけると完全に理系に見えて、もちろんニノの演技や醸し出す雰囲気や、端正な顔立ちもあってそう見えたのかもしれないけど、メガネの形って大事だなと。

 

3回も劇場へ観に行ったのは初めてだし、こんな食い入るように映画を観て、がっつりストーリーを頭に入れて、見終えた後にこうかな?とじっくり考えて感想を書き残したのも初めてだったから、DVD発売、メイキング映像もとても楽しみな映画となりました。

ニノの雑誌ラッシュの時に、何冊か、いや、何冊も(笑)、プラデ関連のものを購入したのですが、その当時バタバタしていたのもあってほとんど読めておらず…。近日中にじっくり読みたいと思います。ちゃんとニノのインタビューも読んで、またじっくり考えたいな。

あぁそうだ、あと一つ。私は、コンサートで歌って踊る、きらっきらに輝いてる、嵐のにのみやくんが1番好きです。あくまでもそれありきで、演じてるにのみやくんも好き。ぽぷこんDVD観て、改めてそう感じたよ。ぽぷこん感想は、また後日。